霞と側杖を食らう

ほしいものです。なにかいただけるとしあわせです。[https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/2EIEFTV4IKSIJ?ref_=wl_share]

千文字語

説明記事

■ 自己の説明 ● 学んできたこと ・大学、大学院:経済学。統計学。 ・プログラミング言語:RとSAS。ほんのすこしpython。 ● 関心事 ・生物統計学(生存時間解析や縦断データ解析)、因果推論、疫学 ● 資格 ・統計検定1級、日本酒検定3級、さんま焼き師 ■ 記事…

2023年の後日譚々

2024年になったので、2023年を振り返る。昨年は美術館へ行く機会が例年より多かった。過去最多だった気さえする。国立西洋美術館とポーラ美術館でそれぞれピカソ展を見ることから始まった。それから行けたのは、東京都美術館のエゴン・シーレ展と東京ステー…

怪物の行方は、誰も知らない

ある日のレイトショーの事である。『怪物』という映画を私は観た。是枝裕和×坂元裕二×坂本龍一のタッグの映画と聞いて、観に行かないわけにはいかなかった。強く印象に残ったのは、怪物の唸り声のような金管楽器の音と、クラスメイトの女の子が読んでいる漫…

本について語るとき某の語ること

2人で話しているポッドキャスト番組をいくつか聞いていると、聞き手の知らない単語を語り手が使ったとき、聞き手の側が自然にその単語はどうやって漢字で書くか尋ねる番組と、そうでない番組があることに気付く。後者の番組を聞いていると、なぜ漢字変換して…

狂気の沙汰ほど狂おしい

東京ステーションギャラリーで開催されていた「佐伯祐三 自画像としての風景」へ行ってきた。この展覧会に惹かれたのは理由が2つあった。一つは、以前山種美術館で目に留まった絵にレストランの絵があって、その絵の作者が佐伯祐三だったということ。もう一…

2022年の後日譚々

2023年になったので、2022年を振り返る。今年はアニメの『平家物語』と大河の『鎌倉殿の13人』を見るところから始まった(『平家物語』のOP曲であった羊文学の『光るとき』は良い曲だった。)。中世の日本の歴史に関心を持って、伊藤俊一の『荘園-墾田永年私財…

キャッサバみたいな鯉がいた

猫の死因にもなりうる好奇心について今回は書く。つまりは、私の好奇心の成長記録のようなものを書く。 幼稚園にいた頃、何かを知ることはなんとなく好きだった。幼年期のことは今となっては記憶をほとんど引き出せやしないのだが、たとえば、ポケモンのリザ…

文字禍福は糾える縄の如し

「文字は、まるで奇跡ですよ」、このセリフが出てきたのは、『チ。-地球の運動について-』という漫画だ。この漫画は、異端な思想として弾圧される地動説というアイデアに魅了された人々が、命をかけて地球の運動の研究を進め、思いを繋いでいく話を描いたも…

きみの鳥は名もなき詩もうたえる

オペラシティで空を仰いでいる巨大な人のモニュメントに出会って、名前も作者も知らないその像がジョナサン・ボロフスキーのシンギングマン(Singing Man)という作品だと知ったのは三年ほど経った、とある風の強く吹く猛暑日のことだった。夏への扉はもう開い…

Yesterday is history, tomorrow is mystery, today is a gift, that's why it is called the present.

今年は日本の中世史が個人的な一大ブームになっている。ブームの第一波は、山田尚子監督によってアニメ化された『平家物語』だった。山田尚子監督の作品は、画角の切り方や音の使い方による緩急が心地良いように思う。平家物語を見ながら中学高校時代の日本…

2021年の後日譚々

2022年になったので、2021年を振り返る。新型コロナの問題は2020年より一層大きな問題となっていた一年だった。そういうわけで関心を持ったのが、国家としてのリスクの対応の仕方というものだった。唐木『証言BSE問題の真実 全頭検査は偽りの安全対策だった…

好きなモデルは?と問われたならば

大政絢だと私は答える。こんな超絶真面目な冗談は置いておいて、モデル(数理モデル、とくに統計モデル※1)について少し書いていく。ただし、モデル観というものは、人によって違っていると思っていて、ここに書くものが一概に正しいというわけではないであろ…

2020年の後日譚々

2021年になったので、2020年を振り返る。どうやったって目を背けることができないのが、新型コロナであった。行く予定だったライブも中止となり、気に入っていた居酒屋も閉店に追い込まれ、友人たちと会う機会も減少し、東京五輪も延期となった。日常がどん…

喫茶店ルノアールでつかまえて

こうして文章を書き始めるとなると、結婚の予定はいつだとか、自分の健康について気にしていることはあるかだとか、年収はいくらだとか、そういうしょうもないことを知りたがるかもしれない。でもはっきり言ってね、その手の話を書く気になれないんだよ。一…

自動手記人形サービス

劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデンを映画館で観賞してきた。綺麗な画と感動的な物語で、たしかに見る価値はあった。しかし、多くの知り合いが打たれている感動の大きさほどのものは感じることができなかった。その理由について、考え付いたことを少し…

印度の子供がなりたいものはラジャラジャマハラジャー

先日、眼鏡を新調した。自動車免許の更新期限が近付いていて、このままでは更新時の視力検査で引っかかると思い、レンズの度を上げなければならなかったのだ。おかげで、遠くの文字もくっきり見えるようになり、免許も無事更新できた。更新できたのは良かっ…

Netflix/YouTube/AmazonPrimeVideo

おうち時間だとかSTAY HOMEが掲げられるこんな御時世なもんで、家に引き籠って動画配信サービスで動画を垂れ流していることが増えた。Youtubeで一発撮りの動画を見て歌ったり、アマプラでM-1を第一回から見てお笑いの変遷を眺めたりしている。昨年のM-1の優…

ゴミ箱を飛び越えた先にある

リモートワーク主体の労働をかれこれ二ヶ月続けている。満員電車の通勤を回避できていることは大変素晴らしいことであるが、リモートワークに起因してストレスがかかっていることもある。PCのスクリーンや冷暖房といった職場の設備が無い分の効率低下もある…

落陽の鹿

志村が死んだ。今回はフジファブリックではない。志村けんだ。志村けんの死は世間に大きく響いたようだ。志村も死んだが、ワニも死んだ。それと同時にその評判も死んだ。評判の死因は色々な人が分析していた。簡単に言ってしまえば、PR会社の仕事がただ下手…

これは酒です

上野の美術館や博物館が休館しているらしい。例のウイルスのせいだそうだ。休館が始まる前に、トーハクと科博を訪れておけてよかった。トーハクでは、常設展の「人、神、自然」を観て回り、科博では、相転移の展示と科学技術の展示を観た。トーハクの昔のア…

2019年の後日譚々

2020年になったので、2019年を振り返る。2019年の最も大きな出来事は就職だった。仕事の内容の大枠はデータ分析とはいえ、これまでのバックグラウンドとは異なる医療業界での仕事となったため、知らないことだらけの異世界転生のようなスタートであった。半…

墓石に刻まれし S = k.logW

熱力学の第二法則もシェイクスピアも私は知らない。 今週、理系の修士卒の人がExcelにスクショを貼る仕事で鬱になったブログ記事が話題になっていた。 dawn2721.hatenablog.com 「※理系が所謂『文系でもできる仕事』に従事するとロクな感情を抱かない可能性…

血は鉄の味がする

ポケットモンスター、縮めてポケモン。23年前からあるこのゲームが未だに人気を博している。いたるところで流れてくるポケモンの動画を見ると、長らく抑えているゲームをしたい欲求が強く刺激されてしまって辛いものがある。3歳からゲームをやっていたが、15…

俺の次に計算の速いヤツが出来たな

私は同時に三つ以上のことを考えるのが苦手だ。疲れていると二つですら厳しい。たとえば、疲れて家に帰ったとき、脱いだ靴下を洗濯機へ、ポケット に入っていたゴミをゴミ箱へと考えていて、危うく靴下を捨ててゴミを洗濯しそうになってしまいそうになること…

人差し指の愛人

たとえば、目的地までの道が分からないだとか、お店で商品が分からないだとかで、外で何かに困ったとき、どうするだろうか。マップを調べたり、フロアをくまなく歩いてみたりするだろうか。それとも、とくに調べたりせず、周りにいる人や店員に聞くだろうか…

うなぎのマスカラ

関東地方で梅雨が明けた日くらいに、『天気の子』を観た。観終えた直後の個人的評価は曇り気味だった。ところが、見えないものが見えている人の書いた映画の感想のような何かの記事を読んで、自分にも、見えなかったものが見えてきたおかげで、面白い作品だ…

大正義と美少女

大学という場所を離れてからというもの、大学というものを相対化して見るようになった。違う大学に通った人や大学に通わなかった人に会う機会が増えたからだろう。高校を出てから、浪人を含めると7年間、一体、何をしていたのかを振り返って、大学教育につい…

瞬間、心、重ねて

人生は瞬間瞬間における選択の連なりである。選択をするまでに与えられる猶予の時間も使用可能なエネルギーもけっして多くない。制限された時間の中で、持っているエネルギーの中で、選択を続けていく。そんなわけで、余計な時間やエネルギーを消費しないよ…

終わるまでは終わらないよ

オ……オオ……クロノ…… ナ……ナツカシイ……。 イヤ……、アナタ方にとってハ イッシュンの事だったのデスネ。 シカシ、ワタシニとっては 400年ハながい時間デシタ……。 シカシ、クロウのかいアッテ森ハよみがえりマシタ。 ……サア、今夜ハ、 400年ブリのサイカイをい…

2018年の後日譚々

2019年になったので、2018年を振り返る。2018年は、「きっと何者にもなれないお前たちに告げる」と「私、特別になりたいの」という二つの対立したセリフが心を貫いた一年間であった。片方は、『輪るピングドラム』のセリフで、このアニメは昨年初めて見たの…