逃げるは恥だが、役に立つ

 時間に余裕ができて、ようやく『逃げるは恥だが、役に立つ』の視聴完走ができた。元ネタ盛り沢山のパロディを利用したドラマで、何かから引っ張ってきているのは演出から予想できるが元ネタが分からないものもいくつかあった。有り体に言ってしまえば、そういった引用をちりばめた月並みなドラマであり、もしも、新垣結衣でなかったら成立していなかったであろうなんていう評価もあった。そういう評価も一理あるが、結婚や労働のかたちを問うていて面白かったし、二人の恋の初々しさにどこか心揺さぶられる場面もあった。「可愛いは最強なんです。」、「可愛いの前では服従、全面降伏なんです!」なんてセリフを新垣結衣が言うのには笑ってしまった。なんて面倒な議論からは逃げてみる。

 「三十六計逃げるに如かず」と孫子は言う。「逃げちゃダメだ」と碇シンジは言う。そもそも、逃げるとは何なのか。現状に何か嫌なものがあって、そのものに背を向けてどこかへ離れて行くといったところか。嫌なものが自己とは別にある場合、逃げることは可能である。嫌なものが、その街にあるならば街から、都道府県から、国から出て行けばよいのだ。もっと遠くへ行けるなら、この地球から。U.F.O.の軌道に乗ってあなたと逃避行。嫌なものが自己と分離できないところにあるならば、自己を変えるか、それともこの世から出ていくことになる。

 1000文字も書くのは難しい。今回は、このへんで逃げさせてもらおう。