冷たい水をください

 旅をしたい。今いるこの場所から離れて、自分を知る人が誰もいない遠い場所へ行きたい。何も知らない場所で、何からか知っていく。そんな体験をしたい。なんて考えることがたまにある。現実逃避的な欲求だろうか。もしそうならば、今いるこの場所にて問題が生じているのだろう。解決できるなら、してしまえばよい。それができないから逃げたくなる。逃げ先には外向きと内向きがある。外向きへ行く場合、それが一時的であれば散歩や旅行であるし、継続的であれば移住である。さらに遠くへ向かっていく場合、自殺である。しかし、外向きに行く場合、コストがかかる。そのような理由で外へ逃げられない場合、内側に引きこもる。内側へ内側へとこもっていく。それが一時的であればよい。だが、継続的になってしまう。ひきこもってしまう。動かなければ、どんどん動けなくなってしまう。筋肉も衰え、脳や神経も衰えてしまう。そんな状態で出ていけないと考えてはまた出ていけなくなる。負のループが始まる。社会の一般的なレールから外れて、他人からの視線や評価が自分の利得構造の中で小さくなる。どれくらいのペースで動けばいいか分からなくて困る。どの程度のペースで動けばよいのかを探るコストは意外に大きい。人と同じ行動がとれなくなる。負のループはこうして続く。脱却には大きなエネルギーが必要だ。そのことを知らずにループにはまってしまう。

 旅人と言えば、スナフキンを思い出す(ムーミンは今年のセンター試験でひと騒動合ったらしい。阪大の外国語学部のスウェーデン専攻の方々が公開した見解が良かったので、http://www.sfs.osaka-u.ac.jp/user/swedish/ 記録しておく)。「いつもやさしく愛想よくなんてやってられないよ。理由はかんたん。時間がないんだ。」「大切なのは、自分のしたいことを自分で知ってるってことだよ」だとかいくつかの台詞を気に入っている。旅人は定住する共同体にとって異質だ。異なったものをもたらす。(こういった内容は、赤坂憲雄の『異人論序説』に詳しい。数年前に読んだが、とても面白い本だった。)

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他に旅人で連想するのはキノの旅少女終末旅行であるが、ここではこれ以上連想するのはやめておく。

 「旅人に尋ねてみた。どこまでいくのかと。いつになれば終えるのかと。旅人は答えた。終わりなどはないさ。終わらせることはできるけど。」と口ずさむ。この歌は小学生だった自分が音楽を聴き始めるきっかけとなった歌だ。その後、この歌では、見送ったはず旅人が自分自身だったことに気付く。少しは頭を使えるようになった小学生の頃の自分は、このパートがとても好きだった。(もちろん、全体を通して好きであったし、今もそれは変わらない。)そこが自分の音楽の原点であり、そこから旅立っているのだ。

 つらつらと、思いつくままに思考の旅を続け、書きなぐったものだ。旅をしたい。