霞と側杖を食らう

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『科学とモデル シミュレーションの哲学入門』の覚書

【用途】

私は大学で経済学のモデルと統計学のモデルに触れて、モデルで考えることを学んだ。この二つの学問でも、また、それぞれの学問の中でも、モデルというものが違う。違うものだから、初めはモデルって何なのかと苦しんだ。物理学だとか他の学問だと、またモデルは違うのかもしれない。モデルと言われてイメージするものが違う可能性があるのに、モデルという同じ言葉で、議論がこんがらがってしまうことが起きることもある。私は大学でモデルを学んだが、学ぶ機会のなかった人もいるかもしれない。モデルとは何かと悩む人が出てくるかもしれない。

そんなこんなで、モデルというものをもっと俯瞰的に知ることができないかと思っていたら、マイケル・ワイスバーグ著 松王政浩訳『科学とモデル シミュレーションの哲学入門』という本を教えてもらった。モデルについて、いつかまとまった文章、スライドを作るために、この本のメモ書きを用意しておく。

【内容】

モデルは構造と解釈の組み合わせで成立する。

モデルの構造は3種類に分類できる。

  1. 具象モデル(ex. ベイモデル)
  2. 数理モデル(ex. ロトカ-ヴォルテラモデル)
  3. 数値計算モデル(ex. シェリングの人種分離モデル)

具象モデルは物理的に存在する構造から、数理モデルは数学的構造から、数値計算モデルは手続きから構築される。 構造によって異なる表現能力をもつ。

モデル記述とはモデルを特定するものであり、モデルとはモデル記述を実現するもの。

モデルは構造と解釈からなり、特定するという関係を通してモデル記述と関係し、類似関係を通して対象システムと関係する。

解釈は4つの部分から成り立つ。割り当て、モデル制作者が意図する範囲、二つの種類の忠実度基準(動的な忠実度基準と表象の忠実度基準)

対象指向型モデリング
現象から抽象化して対象システム、その類似性でモデル、特定化してモデル記述。数理モデルだと、対象システムとモデルの間に対象の数学的表現が入る。p148の図が分かりやすい。

類似性に基づいて対象を表現しようとするが、完全に類似したモデルを作ることが目的ではないことも多い。モデルに対して理想化を導入。 対象を歪めることがある。理想化は3種類。ガリレイ的理想化。ミニマリストの理想化。多重モデルによる理想化。

対象指向型モデリング。 特定の対象なしのモデリング。三種類。 汎化モデリング。仮説的モデリング。対象なしモデリング

ロバスト分析は三種類。パラメータ・ロバストネス、構造ロバストネス、表現ロバストネス。

訳者の記事
http://phys.sci.hokudai.ac.jp/LABS/kisoron/weisberg.html

とあるブログの読書メモ
https://rmaruy.hatenablog.com/entry/2017/04/27/220607
が読みやすいので、記載しておく。

【記憶の検索キーワード】

モデル, 科学