霞と側杖を食らう

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2023年の後日譚々

2024年になったので、2023年を振り返る。昨年は美術館へ行く機会が例年より多かった。過去最多だった気さえする。国立西洋美術館とポーラ美術館でそれぞれピカソ展を見ることから始まった。それから行けたのは、東京都美術館エゴン・シーレ展と東京ステーションギャラリー佐伯祐三展、府中市美術館の諏訪敦展、根津美術館の燕子花図屏風、太田記念美術館葛飾応為の吉原格子先之図、川崎浮世絵ギャラリーの東海道五十三次展、平塚市美術館の玉田多紀展などなど。箱根彫刻の森美術館菊池寛実記念智美術館、東京都写真美術館も行ったし、岡靖知のギャラリーでの展示にも行けた。漫画の『ギャラリーフェイク』も読み終わった。アートへの触れ合いが充実した1年だった。

2023年も映画を50本見ることを目標にしていたのだが、結果55本見ていて、目標を達成することができた。映画館で見たものだと、圧倒的に良かったのが『BLUE GIANT』。次点で、『バビロン』や『怪物』あたりが面白かった。面白さとは別の視点になるが、年末に渋谷のシアター・イメージフォーラムで見た『プリズン・サークル』と『オオカミの家』はどちらも衝撃的だった。配信も含めると、『ロブスター』や『メタモルフォーゼの縁側』は印象に残っている。50本見ることは4年間継続できたが、2024年は忙しくなりそうなので、今年の50本は努力目標ということにする。

趣味として読んでいた本は、日本酒や味覚に関連する本、公衆衛生に関連する本、物語論に関連する本などを読んでいた。2024年は編集や科学哲学あたりをテーマに読み進める予定だ。あと、『三体』を昨年買って積んだままなので、早いうちに読まないといけない。漢検準1級の勉強や辞書の読み進めをしたかったのだが、優先度の関係で結局できなかった(9月は丸々ゼルダの伝説のティアキンで世界を救うのに奔走していたのもある)。これは2024年も進められそうにない気がするので保留する。

本の読み方について、人によって違うという話を以前書いた(本について語るとき某の語ること - 霞と側杖を食らう)が、年末に『アファンタジア―イメージのない世界で生きる』という本を読んで、自分がアファンタジア、つまり、頭の中でリアルで見るようにイメージを思い浮かべられない症状なのかもしれないということに気付いた。頭の中の動きが人によって違うとは思っていたが、自分がマイノリティー側かもしれないと気付いて少し衝撃を受けた。この話の続きはそのうち書くと思う。

2023年もたくさん日本酒を飲んだ。出会えて良かったのが、荷札酒と寒菊だ。この2銘柄は新しいのを見つけたら基本的に買っていた。最も美味しいと感じたのは荷札酒の紅桔梗だった。荷札酒の甘旨さと花のような香りの広がりが絶妙なバランスで最高に美味しかった。ある程度の決まった味わい方ができてきたが、もっと解像度を上げていきたい。日本酒検定の3級は取れたが、2級の勉強をする余裕は無かったので、今年どこかで時間が取れたら、取得したいところだ。

勉強面では、疫学や公衆衛生は基本的なところは一通り読めた。そして、進む道が決まった(この詳細はそのうち書く)。生存時間解析と縦断データ解析を組み合わせたジョイントモデルも学んだ(この詳細もそのうち書く)。今年は腰を据えて学ぶ時間が作れると思うので、そうしないと修得できないものを身に付けていこうと思う。テクノロジーに置いて行かれている危機感があり、人工知能の関連技術のキャッチアップもしておきたい。未曾有の出来事が頻繫に起こる激動の時代だが、何をして、何をしないか、曇りなき眼で見定め、決める。30年生きてみても、人生というものはよく分からないのだが、着実に一歩一歩、前に進めていく。それだけ。