霞と側杖を食らう

ほしいものです。なにかいただけるとしあわせです。[https://www.amazon.jp/hz/wishlist/ls/2EIEFTV4IKSIJ?ref_=wl_share]

千文字語

説明記事

■ 自己の説明 ● 学んできたこと ・大学、大学院:経済学。統計学。 ・プログラミング言語:RとSAS。ほんのすこしpython。 ● 今、学んでいること ・疫学 ・生物統計学(生存時間解析や縦断データ解析)、因果推論 ● 資格 ・統計検定1級、日本酒検定3級、さんま…

カリフォルニアへ行く娘症候群

友人の女の子が結婚し、旦那がアメリカで働いているからと、来月には日本を離れるのだという。彼女と知り合ったのは7年くらい前で、時折、お酒を一緒に飲んだり、本を貸し借りするような仲だった。貸してもらった本のうちの一冊が、堀江敏幸の『一階でも二階…

読書空間と出版印刷と鯖江の眼鏡

読書空間としての電車の中の居心地が近年、悪化しているように感じている。というのも、車内で紙の本で読書している人は減っている一方で、スマホやタブレットで動画やショートを見ていたり、ソシャゲをやっている人が増えているからだ。読書仲間が少なくて…

完璧な文章と絶望の非存在と、その消極的な積極的受容

書かないといけないわけではないのに書く。書き捨てる。書き残す。そういう行為をしている人が一定数存在する。かくいう私も、このような記事を書いているのだから、必要もないのに書く行為をする生き物だ。書く行為を続けている個人的な理由を考えてみると…

上品とは、欲望に対する動作がスローモー

三苫薫が味方のゴールキーパーから受けたボールをトラップしてゴールネットを揺らしたスーパーゴールは、近年見た日本人のシュートで一番感動的だった。何度もリプレー映像を見返した。動きの全てが素晴らしかった。 さて、三苫薫の卓越したゴールの話は置い…

チ。第Q集について

『チ。 地球の運動について』第Q集という公式から出版されているトリビュートブックを読んだ(https://amzn.to/3EGE7mo)。めちゃめちゃ良い企画のトリビュート本だった。こういう企画が他の漫画でもあれば、と思うが、その作品に取り憑かれた人が多数いないと…

2024年の後日譚々

2025年になったので、2024年を振り返る。毎年の振り返りは2018年の振り返りから続けているので、これで7年分ということになる。日々の記憶がどんどん希薄になっていく中で、定点観測的に記録することで、自分の変わっている部分と変わらない部分が見ることが…

望みに進むのが気持ちのいい人生

一年以上ぶりに再会した人や連絡をくれた人が、このブログをたまに見ていると伝えてくれることがある。ときには、あの記事が面白かったと教えてくれることもある。主な読者ターゲットは将来の自分と考えていて、他の人にとっては恐らくよく分からないであろ…

文化は内輪ウケ、米菓はばかうけ

Amazonオリジナル番組の『THEゴールデンコンビ』を観た。賞金1000万円を目指して、お笑い芸人が普段組んでいないコンビでお題に沿った即興ネタを披露していく番組だったのだが、ネプチューンのホリケンとニューヨーク屋敷のコンビが個人的に最高だった。ホリ…

個人的野球回顧録

横浜DeNAベイスターズがペナントレースを3位で終えた後、クライマックスシリーズ、日本シリーズを勝ち抜き、26年ぶりに日本一となった(26年前は、私はまだ小さかったので、当時のことは全然わからない)。9月の順位争い、10月からのポストシーズンで、2ヶ月ほ…

きみの色、テルミン、坂道のアポロン

山田尚子監督のアニメーション映画『きみの色』を映画館で観てきた。監督の過去作が好きなのもあるが(これは昔書いた記事で触れていた)、音楽を担当している牛尾憲輔も好きなのであった。この二人が組んだのは、『聲の形』、『リズと青い鳥』、『平家物語』…

いんよう!というポッドキャスト番組

いんよう!というポッドキャスト番組が休止となって半年が経った。聞き始めたのは、休止する1年以上前だったと思う。聞き始めた当初は音質や語り口が耳に合わないこともあったが、話している内容や二人、ときに三人の掛け合いが、どこからか癖になりだしてハ…

2023年の後日譚々

2024年になったので、2023年を振り返る。昨年は美術館へ行く機会が例年より多かった。過去最多だった気さえする。国立西洋美術館とポーラ美術館でそれぞれピカソ展を見ることから始まった。それから行けたのは、東京都美術館のエゴン・シーレ展と東京ステー…

怪物の行方は、誰も知らない

ある日のレイトショーの事である。『怪物』という映画を私は観た。是枝裕和×坂元裕二×坂本龍一のタッグの映画と聞いて、観に行かないわけにはいかなかった。強く印象に残ったのは、怪物の唸り声のような金管楽器の音と、クラスメイトの女の子が読んでいる漫…

本について語るとき某の語ること

2人で話しているポッドキャスト番組をいくつか聞いていると、聞き手の知らない単語を語り手が使ったとき、聞き手の側が自然にその単語はどうやって漢字で書くか尋ねる番組と、そうでない番組があることに気付く。後者の番組を聞いていると、なぜ漢字変換して…

狂気の沙汰ほど狂おしい

東京ステーションギャラリーで開催されていた「佐伯祐三 自画像としての風景」へ行ってきた。この展覧会に惹かれたのは理由が2つあった。一つは、以前山種美術館で目に留まった絵にレストランの絵があって、その絵の作者が佐伯祐三だったということ。もう一…

2022年の後日譚々

2023年になったので、2022年を振り返る。昨年はアニメの『平家物語』と大河の『鎌倉殿の13人』を見るところから始まった(『平家物語』のOP曲であった羊文学の『光るとき』は良い曲だった。)。中世の日本の歴史に関心を持って、伊藤俊一の『荘園-墾田永年私財…

キャッサバみたいな鯉がいた

猫の死因にもなりうる好奇心について今回は書く。つまりは、私の好奇心の成長記録のようなものを書く。 幼稚園にいた頃、何かを知ることはなんとなく好きだった。幼年期のことは今となっては記憶をほとんど引き出せやしないのだが、たとえば、ポケモンのリザ…

文字禍福は糾える縄の如し

「文字は、まるで奇跡ですよ」、このセリフが出てきたのは、『チ。-地球の運動について-』という漫画だ。この漫画は、異端な思想として弾圧される地動説というアイデアに魅了された人々が、命をかけて地球の運動の研究を進め、思いを繋いでいく話を描いたも…

きみの鳥は名もなき詩もうたえる

オペラシティで空を仰いでいる巨大な人のモニュメントに出会って、名前も作者も知らないその像がジョナサン・ボロフスキーのシンギングマン(Singing Man)という作品だと知ったのは三年ほど経った、とある風の強く吹く猛暑日のことだった。夏への扉はもう開い…

Yesterday is history, tomorrow is mystery, today is a gift, that's why it is called the present.

今年は日本の中世史が個人的な一大ブームになっている。ブームの第一波は、山田尚子監督によってアニメ化された『平家物語』だった。山田尚子監督の作品は、画角の切り方や音の使い方による緩急が心地良いように思う。平家物語を見ながら中学高校時代の日本…

2021年の後日譚々

2022年になったので、2021年を振り返る。新型コロナの問題は2020年より一層大きな問題となっていた一年だった。そういうわけで関心を持ったのが、国家としてのリスクの対応の仕方というものだった。唐木『証言BSE問題の真実 全頭検査は偽りの安全対策だった…

好きなモデルは?と問われたならば

大政絢だと私は答える。こんな超絶真面目な冗談は置いておいて、モデル(数理モデル、とくに統計モデル※1)について少し書いていく。ただし、モデル観というものは、人によって違っていると思っていて、ここに書くものが一概に正しいというわけではないであろ…

2020年の後日譚々

2021年になったので、2020年を振り返る。どうやったって目を背けることができないのが、新型コロナであった。行く予定だったライブも中止となり、気に入っていた居酒屋も閉店に追い込まれ、友人たちと会う機会も減少し、東京五輪も延期となった。日常がどん…

喫茶店ルノアールでつかまえて

こうして文章を書き始めるとなると、結婚の予定はいつだとか、自分の健康について気にしていることはあるかだとか、年収はいくらだとか、そういうしょうもないことを知りたがるかもしれない。でもはっきり言ってね、その手の話を書く気になれないんだよ。一…

自動手記人形サービス

劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデンを映画館で観賞してきた。綺麗な画と感動的な物語で、たしかに見る価値はあった。しかし、多くの知り合いが打たれている感動の大きさほどのものは感じることができなかった。その理由について、考え付いたことを少し…

印度の子供がなりたいものはラジャラジャマハラジャー

先日、眼鏡を新調した。自動車免許の更新期限が近付いていて、このままでは更新時の視力検査で引っかかると思い、レンズの度を上げなければならなかったのだ。おかげで、遠くの文字もくっきり見えるようになり、免許も無事更新できた。更新できたのは良かっ…

Netflix/YouTube/AmazonPrimeVideo

おうち時間だとかSTAY HOMEが掲げられるこんな御時世なもんで、家に引き籠って動画配信サービスで動画を垂れ流していることが増えた。Youtubeで一発撮りの動画を見て歌ったり、アマプラでM-1を第一回から見てお笑いの変遷を眺めたりしている。昨年のM-1の優…

ゴミ箱を飛び越えた先にある

リモートワーク主体の労働をかれこれ二ヶ月続けている。満員電車の通勤を回避できていることは大変素晴らしいことであるが、リモートワークに起因してストレスがかかっていることもある。PCのスクリーンや冷暖房といった職場の設備が無い分の効率低下もある…

落陽の鹿

志村が死んだ。今回はフジファブリックではない。志村けんだ。志村けんの死は世間に大きく響いたようだ。志村も死んだが、ワニも死んだ。それと同時にその評判も死んだ。評判の死因は色々な人が分析していた。簡単に言ってしまえば、PR会社の仕事がただ下手…